
1 TPMについて
近年、注目を集めている東京プロマーケット(TPM)。IPOを目指す企業にとって、新たな選択肢として浮上していますが、その特徴やメリット・デメリット、上場に関する注意点など、まだ十分に理解されていない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、TPMについて、メリット・デメリット、上場に関する注意点、ガバナンスなど、多角的な視点から解説していきます。IPOを検討している企業の皆様にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。
1-1 東京プロマーケットとは?
TPMは、東京証券取引所が運営する新しい市場です。従来の市場と比較して、上場基準が柔軟に設定されており、成長性の高いベンチャー企業がより早く上場できるという特徴があります。
1-2 TPMのメリット
- 上場までの期間が短い: 従来の市場と比較して、上場までの期間が短縮できる可能性があります。
- 上場費用が比較的安い: 上場にかかる費用が比較的安価に抑えられる場合があります。
- 成長性の高い企業にとってのチャンス: 従来の市場では上場が難しかった成長性の高い企業も、TPMであれば上場できる可能性があります。
- プロ投資家との出会いの場: プロ投資家との出会いの場となり、資金調達や事業拡大の機会につながる可能性があります。
1-3 TPMのデメリット
- 流動性が低い: 従来の市場と比較して、取引量が少なく、流動性が低い傾向にあります。
- 情報開示の負担が大きい: 上場後も、継続的に情報開示を行う必要があります。
- 投資家の目が厳しい: プロ投資家の目が厳しいため、企業の経営状況や将来性について厳しく評価される可能性があります。
1-4 TPMの上場に関する注意点
- 上場基準: 従来の市場と比較して上場基準は緩和されていますが、一定の基準を満たす必要があります。
- 準備期間: 上場には、一定の準備期間が必要です。
- 費用: 上場には、費用がかかります。
- 情報開示: 上場後も、継続的に情報開示を行う必要があります。
1-5 TPMのガバナンス
TPMでは、上場企業に対して高いガバナンスが求められます。具体的には、以下の点が挙げられます。
- 取締役会の機能強化: 取締役会の機能強化が求められます。
- 内部統制の整備: 内部統制の整備が求められます。
- 情報開示の徹底: 適時適切な情報開示が求められます。

2 東京プロマーケット(TPM)の上場事例:成功と課題
東京プロマーケット(TPM)は、成長性の高いベンチャー企業にとって魅力的な上場市場として注目されています。しかし、TPMに上場した企業の事例はまだ多くはありません。ここでは、TPMに上場した代表的な企業の事例をいくつか紹介し、その成功と課題について考察していきます。
2-1 TPMに上場した代表的な企業事例
TPMに上場した企業は、IT業界、バイオテクノロジー業界など、多岐にわたります。これらの企業は、革新的な技術やビジネスモデルを持つことが特徴です。
【事例1:IT業界の企業】
- 成功事例、特定の分野における高い技術力や、ユニークなサービスモデルが評価され、上場後も高い成長率を維持している企業があります。
- 課題として、競合の激しいIT業界において、持続的な成長を続けるためには、技術革新や新たなビジネスモデルの創出が求められます。
【事例2:バイオテクノロジー業界の企業】
- 成功事例、革新的な医薬品や医療機器の開発に成功し、上場後も高い評価を得ている企業があります。
- 課題として、研究開発費が膨大であり、収益化までに時間がかかるという課題があります。また、規制当局の認可取得が求められるため、そのプロセスが長期化する可能性もあります。
2-2 TPM上場のメリットと課題
TPMに上場するメリットとしては、以下の点が挙げられます。
- 上場までの期間が短い
1期分の監査証明で上場基準に満たしておれば、従来の市場と比較しても、上場までの期間が短縮できる可能性があります。 - 上場費用が比較的安い
上場準備のステージにもよりますが、上場にかかる費用が比較的安価に抑えられる場合があります。 - 成長性の高い企業にとってのチャンス
従来の市場では上場が難しかった成長性の高い企業も、TPMであれば上場できる可能性があります。
2-3 TPMに上場する課題としては、以下の点が挙げられます
上段でも説明いたしましたが、課題としては下記の点が挙げられます。
流動性が低い | 従来の市場と比較して、取引量が少なく、流動性が低い傾向にある。 |
情報開示の負担が大きい | 上場後も、継続的に情報開示を行う必要があります。 |
投資家の目が厳しい | プロ投資家の目が厳しく、企業の経営状況や将来性について厳しく評価される可能性がある。 |

3 企業の信頼性大幅に向上

3-1 東証上場企業としてのステータス
- ブランド力向上として、TPMは東京証券取引所が運営する市場であり、上場することで「東証上場企業」というブランド力を得ることができます。
- 信頼性の向上として、東証上場企業として認められることで、銀行、顧客、取引先、従業員など、あらゆるステークホルダーからの信頼度が向上します。
3-2 透明性の確保
情報開示義務、 TPM上場企業は、継続的に詳細な情報を公開することが義務付けられています。これにより、企業の経営状況や財務状況が透明化され、投資家や取引先からの信頼を獲得しやすくなります。
ガバナンス強化、上場企業としてのガバナンス強化が求められるため、企業の経営体制がより透明化され、健全な経営が行われているという印象を与えることができます。
3-3 資金調達の円滑化
多様な資金調達手段、TPM上場により、株式発行による資金調達だけでなく、転換社債など、様々な資金調達手段が利用可能になります。
資金調達、TPM上場を通じて、資金調達が可能となり、事業拡大のための資金を確保することができます。
3-4 M&Aにおける優位性
企業価値の向上によりTPM上場で企業価値が向上し、M&Aにおける交渉力が高まります。
事業拡大の加速、M&Aを通じて、事業領域の拡大やシナジー効果の創出が期待できます。
3-5 人材確保の強化
優秀な人材の獲得、TPM上場企業は、透明性を持った会社運営により優秀な人材にとって魅力的な職場と認識されやすく、人材確保が容易になります。
従業員のモチベーション向上、TPM上場企業の一員として働くことで、従業員のモチベーションが向上し、企業全体の活性化につながります。
3-6 事業承継の円滑化
- 相続税評価額の算定、TPM上場株式の相続税評価額は、一般的に非上場株式よりも低く評価されるため、相続税の負担を軽減することができます。
- 後継者への円滑な事業移譲、TPM上場企業の株式を後継者に譲渡することで、円滑な事業承継が可能になります。
Q&A
まとめ
TPMは、成長性の高いベンチャー企業にとって、新たな選択肢となる可能性を秘めています。しかし、メリットだけでなく、デメリットや注意点も理解しておく必要があります。
IPOを検討している企業は、自社の状況に合わせて、TPMを含む様々な選択肢を比較検討し、最適な方法を選択することが重要です。
注意点
- 本記事の内容は、あくまでも一般的な情報であり、個々の企業の状況によって異なります。
免責事項
本記事の内容は、情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではありません。投資に関する決定は、ご自身の判断で行い、ご自身でリスクを負うことを前提としてください。
